先週になりますが、10月28日に行われた『「ホームサーバーで快適ライフ」HP MediaSmart Server ブロガーイベント』に参加してきました。場所は日本ヒューレット・パッカード本社。

イベントの流れとしてはこんな感じ。

  1. 日本HPさんから同社に関するプレゼン
  2. 日本HPさんからHP MediaSmart Server EX490に関するプレゼン
  3. ユーザー視点としてカイさんのHP MediaSmart Server EX490に関するプレゼン
  4. 質疑応答
  5. タッチ&トライ

以前初めてブロガーイベントに参加した時はノートPCを持っていかなかったので、今回は忘れずに持参・・・したら逆にデジカメを忘れてしまいXperiaで撮影するはめに。そんなこともあり、各スライドを交えたイベントの詳しいレポートは、既にアップされている他の参加者さんのレポートを参照してください(↓バナー)。


MediaSmart Server EX490とは?

MediaSmart Server EX490とは、HPが夏にリリースしたばかりのWindowsHomeServer機です。OSであるWindowsHomeServer(以下WHS)と1TBのHDDが付いた筐体がセットになっています。他のWHS製品と違う特徴としては、WHSのプラグイン機能をフル活用し、主にメディア管理+配信機能が大幅に強化されているところです。お話によると、販売後即予想超える発注があり、9月まで欠品(今は潤沢)していたほど好評だそうです。詳しいスペックは公式サイトを参照。

HPはプリンター、PC、そしてサーバ&関連ソフトウェアが3つの大きな柱だそうですが、プリンターとPCが個人市場で大きなシェアをもっている反面、サーバー関連は主に企業向け。MediaSmart Server EX490はその得意なサーバー分野においても個人市場に割って入る意欲的製品の位置づけ。

HPさんのお話では、MediaSmart Server EX490の特徴/アピールポイントは3つ:

  • デジタルライフを快適に
  • データの一元化と共有
  • エンターテイメントをお手軽に

たしかにうまく簡潔にまとめるとそのようですが、他社からもでてきそうなよく聞く売り文句と同じ気がします(すみません)・・・あと、具体的にどういう機能があるのか?という点でもわかりにくいなぁ、と感じました(ただしごく一般ホームPCユーザーには分かりやすいのかも)。というわけで僕なりにまとめてみると・・・

ベースはWindowsHomeServerである

まずこの製品の根っこにあるのはWHSです。どんな製品なのかを理解するにはまずWHSを理解するといいと思います。僕はWHSを使ったことがないので、WHSの詳細は説明するよりもググった方がはやいです。とはいえ、一言でいうとNASですね。高機能かつ、あまり複雑なこと(RAIDとか、HDDのサイズとメーカーの違いとか)を意識する必要のないNAS。名称にServerこそ付いてますが、感覚としてはNASというほうが近いんじゃないかと思います。加えて、本体の方も一般的な安いNAS(バッファローのとか)と比較して性能が若干高いみたいです。CPUとかですね。

そこにHP独自の「味付け」

実はWHSはPCパーツショップで売っています。自作PCであったり、余っているPCにインストールするだけで上記と同じ機能を得ることができます。また、このMediaSmart Server EX490と似たような製品がAcerからも発売されています。しかし大きな違いは、HP独自の「味付け」がしてあることです。

まずは「メディアコレクター」という機能。動画や写真、音楽ファイルなど、指定したPCのフォルダからMediaSmart Server EX490内の指定したディレクトリに自動的にファイルを差分コピーしてくれます。動画の場合、取り込みつつ指定した形式に変換することも可能(ただし動画によっては長時間掛かる)。

次に「メディアスマートサーバー」機能。メディアコレクターで取り込んだメディアファイルを、ホームネットワークから観覧したりすることができる機能です。細かいところまで把握できなかったのですが、FlickrやPicasa等と連動でき、設定しておくと自動でFlickrに写真をアップロードしてくれたりできます。ただし、細かい設定はできないので、タグ付とかの整理はFlickr上で行うことになります。それから、iPhone/iPod touchからアクセスするアプリも用意されています。僕はiPod touchを持参し忘れたので orz、会場にあったiPadで試しました。残念ながらネイティブiPadアプリではなく、写真も粗く、ロード時間もゆっくりでした。遅さの原因は会場の通信関係にも原因があったかも。

iTunesサーバ(?)としても機能するようで、iTunesから認識することができるよう。ただしこちらも細かい設定はできないようです。

メインはWindows、でもMacもあるって方にはたぶん嬉しいのが、MacのTimeMachineに対応していることかも。

Q&A

僕が伺ったのは2点。まず、「Androidアプリ開発の予定は?」と伺ったところ、残念ながら「今のところナシ」。

次に伺ったのは、バックアップ機能とメディアコレクターの違い。「2つの機能は別物。違うソフトが動いていると思ってください」との答え。つまり、WHSのNAS機能が行うファイルのコピーとは別に、メディアコレクターが行うファイルのコピーもする必要があるということです。ということは、貴重なディスクスペースを重複ファイルで使うということ?う~ん。

タッチ&トライ

ソフトも大事ですが、ハードも大事です。タッチ&トライセッションでいろいろといじってみました。触るまえは、コンパクトな筐体やエアーフローがよさそうな点、HDDの入れ替えに工具が必要ない点など、総合してとてもよさそうに思いましたが、がっかりした点が幾つかありましした。

まず、HDDを収めてあるケース(引き出しみたいなもの)を本体から出し入れしたとき、奥まできちんと入ったかどうかが分かりにくい。会社のバッファローのNASがあるんですけど、奥まできちんと入ったときの「カチッ」という感触がほぼ無いに等しい。さらに、HDDをそのケースから外したり付けたりするのが一苦労。分かればなんてことはないんですが、説明なしには絶対分からんと思う。特に他のメーカーの類似製品を使ったことがある人は。片方だけ無理やりねじって開けるなんて誰も思わないよ(苦笑)。使っているうちにパキッといきそう。頻繁に行う作業ではないので大きな問題点ではないかもしれませんが、カイさんがプレゼンでも述べてた通り、取説関連の情報が少ないのは気になります。

あと、メッシュ状の筐体。いいんだけど、取り外し可能なメッシュのフィルターとの組み合わせの方がお掃除が楽です。これは今使っているPCケースmini-P180で経験済み。

まとめ

個人的意見ですが、このMediaSmart Server EX490をメディアサーバー的な使い方のみの目的で購入する人はほとんどいないのではないでしょうか?。まずはやはりバックアップ機能でしょう。となるとWHSです。プラグインで機能拡張もできるみたいなので、自分の目的にあったバックアップ機能が備わっているかどうか事前にきちんと調べる必要がありそうです。特にパワーユーザーは。逆にもうすでにWHS製品に的を絞っているならば購入対象の有力候補じゃないですかね?もしかしたら、ホーム利用ではなくSOHO利用で一番力を発揮するかもしれませんね。

マイナス点が目立った記事になってしまったかもしれませんが、全体的には好印象の製品です。ただ立ち位置が、良く言えば「高機能NAS」悪く言えば「かと言ってサーバーにはなりきれない中途半端な高機能NAS」という印象です。お値段的にも「とりあえず買ってから試す」にはちょっと高いと感じます。購入を検討する場合は、自分の用途と、本機種の仕様と機能をよく調べ、比較してから行動する必要があると思います。でなければ「これだったら2万前後のバッファローやアイ・オー・データの安いNASで十分だった」となるでしょうね。

P.S. どうやらこの製品をモニターさせて頂くことになったみたいですー 🙂