東京都写真美術館で、気になっていた写真展を3つ、一気に見てきました。簡単に感想を書き留めておく事にしました。だぁ~っと書いたので、ちょっと読みにくいかもしれませんが(汗)

IMGP1930

コレクション展「旅」第1部

ヨーロッパで始まった写真術。それは、旅をしていたイギリス人がその素晴らしい風景をそのまま紙に移し残せないかと考えたところから始まった。それがとても印象に残りました。やはり「旅」と「写真」は切っても切れない関係なんだなと。写真術の黎明期には結構イギリス人が関わっているのも意外だった。

その写真術の黎明期と、欧州裕福層の旅行ブーム、オリエンタリズム、それらがまた絶妙なタイミングで起こった時期のよう。さらにそれらが日本にたどり着く頃には、幕末~明治初期。これらのタイミングは偶然なのか必然だったのか…

ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット、フェリーチェ・ベアト、日下部金兵衛、内田九一。

やたら富士山が大きく見える。鎌倉の大仏の写真が数点あったけど、すべての写真で人が大仏さんによじ登ってポーズを撮ってる。いいのかな(笑)

最近写真を見たり撮ったりの熱が僕の中でやたらと上がってきたけど、昔から好きな歴史、特に幕末・明治、それから博物学っぽいのが組み合わさってるからかしてか、こういう内容の企画展は見ていて全然飽きない。面白い。

プレス・カメラマン・ストーリー

朝日新聞社写真部のアーカイブスです。プレス・カメラマンですね。昭和の戦前、戦中、戦後の5人のカメラマンが撮影した写真。

60年代に女子プロレスがあったとは!

駒形どぜう前にたっているブレッソン。

ベトナム戦争中の写真で、双発機が味方の弾を食らって真っ二つになる瞬間の写真が凄い。

白黒写真がもつ力強さと言うか、メッセージの強さのようなものを感じた。

世界報道写真展2009

世界報道写真展は以前大阪でみたことがあります。たぶん2007年か6年。これで2回目。

この展覧会の写真て、僕個人的には「よくもまぁこんな場所でこんなタイミングで撮れたなぁ。よくそれで無事だったなぁ。」と思う事が多いです。今回もそう。写真だけ見てへぇとかほぉとかじゃなくて、その写真を入り口として、その事件や状況の社会的背景や意味を知り、考えてみる事が大切かと。

オバマ、世界的経済危機、北京オリンピック、四川大地震。

ケニアの総選挙に関連した、部族間の対立は、弓矢で戦っていたのが興味深かった。「それでも20人の死者が出た」と書いてあったけど、「たったの20人?」と思った。

なんか、ポーランドの人が撮った写真が大かったように思うけど、気のせいかな。

この写真展の内容を考えると、写真の解説は読むのが必須になってくると思うけど、ちょっと「ううんー?」と思わせる訳があったのは残念かな。たとえば、フランスの写真で、強制的に家事手伝いとして働かさせられている女の子の写真があったけど、原文はたしか「in number of  European countries」。ニュアンス的には「いくらかの」や「複数の」だと思ったけれど、日本語訳は「多くのヨーロッパ諸国」だった。

3展を一気に見て

感想を書いた順に、3F、2F、B1、と上の階から下へ降りて、3つの写真展をみてきました。時代的にちょうど、幕末・明治→昭和→平成。黎明期の写真はその被写体や質もさることながら、記録されているだけで価値がある。でも現代に近づくにつれて、だんだんと「ただ記録」から「何を記録」「どう記録」に変わってきた気がします。まぁ、今日見た3つのうち2つは報道写真(プレス・フォト)だったので、どうしてもそういう見方になってきてしまいますが。

見に来られている方も違ってました。下の階に行くほど人が多くなり、特に若い人や「えっこんな人写真に興味があるの?(失礼!」ってな人が増えていった。さすがに写真展「旅」は物好きな人だけなのかなぁ。面白いとおもうんだけど。世界報道写真展は若い女性の方が多かったですね。でもみんな写真に近づくのを遠慮しがちで、写真の前に人がいなくて周りにちょっと大きめの人垣ができてた。これだと来る人がそのさらに外にたたなきゃ行けないから見えないんだよね~。是非もう一歩前へ。